心の伊達市民 第一号

シャネルと夜景


銀座には用事が無くても、頻繁に出向いている。
「なにか私の知らないイベントがあるかもしれない」と思うからである。
銀座3丁目のシャネルの角を曲がって有楽町方面に行こうと思い路地に入ったら、シャネルの建物の左側に「写真展」という文字が目に入った。
詳しく見たら、「In Praise of Shadows ヴェルサイユ宮殿」と書いてあった。




ドアから中を見たら係員の男性がいたので、聞いてみた。
私 『誰でも見られるのですか?』
男 『どうぞお入り下さい』

シャネルなんて私には全く縁が無いので、なんだか敷居が高い気がしたのである。
エレベーターに乗って、4階で降りた。
そこには女性がいて、少しだけ見学のご注意があった。




指示された会場に入ると、ほぼ真暗である。自分の足元も見えない。
ただヴェルサイユ宮殿の写真が飾られているのは、ハッキリと見える。
写真を浮き立たせるための演出なんだろう。



入口で渡された資料を家に帰ってから見たら、色々なことが分かった。
『ヴェルサイユ宮殿は1682年にフランスの国王ルイ14世によって建設され、国王の居城として宮廷文化の舞台となった。カメラマンの森田恭道は数年にわたり、この場所を訪れてバロック建築の傑作をモノクロ写真に収めました』

『本展では独自の審美眼で捉えたヴェルサイユ宮殿の多彩な表情を、光と影、表と裏、地上と地下というように様々な対比を交えながら、約100点の作品を通して紹介します』とあった。




会場の作りもあまり見ないやり方である。
四角い部屋の壁に写真を展示するのではなく、部屋の中に壁がある。
しかもその壁がカーブしていたりする。

なにしろ暗いのだから、全体がどうなっているのか全く分からない。
見に来ている人も少ないので、ゆっくりと見られるが、どこが出口かも分からない。




シャネルという名は創業者の名前で、正式には「ガブリエル・シャネル」と言う。
彼は「Pygmalion(ピグマリオン)」といても有名であった。

ピグマリオンとはギリシャ神話に語源があり、「才能を信じ、支援し、開花させる人」という意味があるそうだ。彼はピカソを支援したことでも有名だそうだ。
その精神は今でも受け継がれていて、時々、このような企画を行っている。




100点もの写真は見応えがある。
昔のことだがヴェルサイユ宮殿に行ったことがあるが、今では全く覚えていない。
これらの写真は全て自然光の中だけで撮影したそうで、「写真は光なんだなー」と実感した。

どこが終りかが分からず、既に見た写真の場所に出て来た。
仕方ないので、もと来た順路を辿って入口から会場の外へ出た。
展示方法は素晴らしかったが、老眼の私には出口問題で困った。




(おまけの話)
真暗闇の中の写真展を見たので、暗い話題を(おまけ)にした。
暗いと言っても話が暗いのではなく、夜景である。
少し前に新橋から戻る時に、東京BRTに乗らず歩いて家に帰った。
新橋から東京BRTだと、約4分で着く。そこを歩くと、約25分くらいは掛る。


 「築地大橋」の夜景



新橋から歩く場合は、浜離宮恩賜庭園の横の仮設道路を歩く。
夜にここを歩く人は、ほとんどいない。たまに自転車が通って行くだけである。
築地大橋が近付くと、ブルーにライトアップされて橋が見えて来る。
隅田川で車道と歩道が一緒になる。


築地大橋の上空に満月が出ていた。



橋の上から隅田川を見たら、遊覧船と屋形船が通り過ぎて行った。
上空を見上げたら、丁度、満月の日であった。
この築地大橋は反対側から来ると、ブルーではなくホワイトである。
往きと帰りで違う色を楽しめるようにしているらしい。

「日本の経済力がドイツに抜かれる」などという話も出ているが、こういう光景を見ていると「まだまだ、日本も余裕があるなー」と感じた夜だった。


 築地大橋の向こうにはマンション群が見えて来る。

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コメント

  1. Shinji

    Shinji

    返信

    ヴェルサイユ宮殿に行った時は、超混雑していて、見えたものは人の背中と天井でした。床や手すりなどのディテールを見るチャンスなどなかったので、この写真展は素晴らしいと思います。
    出口や非常口のサインがないのは、建築基準法や消防法に違反しています。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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アクセス総数
1,434,003回

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