心の伊達市民 第一号

原宿を徘徊する

TVニュースで原宿のことを取り上げていた。
そこで気になっていたので、暑さを我慢して出掛けて行った。
東新宿から乗った都バスを「表参道」で降りると、目の前の交差点の角のビルが新築されていた。

以前は1958年に建設された「セントラル・アパート」で、文化人や外国人が住むハイカラな住居だった。いまは不規則な傾斜のガラスのビルで、今年の4月に完成した新商業施設「ハラカド」という名だそうだ。「原宿の角」という意味らしい。


原宿交差点角に建つ「ハラカド」



今回の原宿行きには2つの目的がある。
1つ目は「お洒落なゴミ箱」を見るためである。
「変な目的でわざわざ原宿まで行くのか?」と、自分でも分かっている。

日本は外国に比べると、極端に公共の場にゴミ箱が少ない。
外国人観光客はゴミの捨て場が無いので、これはかなり評判が悪いらしい。
ゴミ箱が無いので、彼等はその辺りに捨ててしまう。


ゴミ箱らしくないアートなゴミ箱



ゴミ箱が無くなったのは、「オウム・サリン事件がキッカケ」という説があるが、それは間違いである。サリン事件は1995年で、ゴミ箱が無くなったのは2000年になってからだ。

その理由であるが、いま思い出してみると「カラスによる被害を防ぐ」、「ゴミの回収・処理に費用が掛かり過ぎる」、「物を大切にする啓蒙」、「自分の出したゴミは持ち帰る」、「ゴミ箱からゴミが溢れて美観を損ねる」などのようだ。


 絵です!「アルマーニ」の騙し絵



原宿交差点から表参道を、青山通りに向かう。
両側はお洒落なファッション関係の店が並び、有名ブランド店も多くある。
この道路は大きな木が植えられているので、日影があるのが嬉しい。
途中で横断歩道橋の上に立って道路を見たが、お盆休みのせいか車も少なかった。

こんな暑い時には、お洒落な人は歩いていない。
歩いているのは地方からの人とか、外国人観光客ばかりのようだ。


表参道の陸橋の上から原宿交差点方面を見る



ここで2つ目の目的のものを探した。それは「遮熱舗装」である。
ニュース解説によると都市部のヒートアイランド現象の対策として、路面の温度上昇を抑える「遮熱性舗装」を原宿で行っているそうだ。道路の左側を歩きながら注意深く道路を見ていたが、分からなかった。
青山通り出てしまったので、交番で警察官に聞いてみたが分からなかった。

諦めて反対側の歩道を歩いて、原宿交差点に戻ることにした。すると200メートルほど行ったところに、道路がハッキリと白と黒に区切られている場所を見付けたのである。この舗装をすると、約10度、路面温度が下がるそうだ。    


 遮熱舗装と普通の舗装の境目



これで今回の目的の2つが完了したので、もうやることが無くなった。
ブラブラと歩いて戻ったら、途中に「ブルーのゴミ箱」があった。
ゴミ箱には「Nittera」と大きく書かれているので、それを家に帰ってからネットで調べてみた。するとこれは日本特殊陶業がスポンサーとなり、スマートゴミ箱を設置したと分った。

スマートゴミ箱というのは、「蓄積されたゴミを自動で圧縮する」、「一杯になったらネットを通じて知らせてくれる」というハイテクゴミ箱だった。そんなことも知らずに、ただデザインだけを見て帰って来てしまった。また機会があれば、見に行こう!


スマートゴミ箱「SmaGO」



原宿と言えば「竹下通り」が有名である。
帰りの都バスに乗るには少し遠回りだが、久し振りに行ってみた。
通りの入口に来て、驚いて帰ろうかと思った。
狭い道路いっぱいに、はるか向こうまで若い人達で溢れている。

戻るのも面倒なので、中へ入った。なかなか前に進まない。
みんな観光に来ているのだから、ノロノロと歩き店を覗いては立ち止る。
私はイライラしながら、200メートルほどの道路を歩いてやっと大通りに出た。


大混雑の「竹下通り」



(おまけの話)
まだ昼前なので、久し振りに明治神宮に行ってみることにした。
原宿交差点から原宿駅に向かい、駅の左側が明治神宮の大鳥居である。
以前は静かな雰囲気の場所だったはずなのに、いまでは外国人観光客がみんな行く場所になったようだ。ゾロゾロと大鳥居をくぐって行く。外国人用の観光案内書に載っているのかもしれない。



明治神宮の森は100年前に人工的に作られたものであるが、全くそれを感じさせない。
HPによると「多様性、多層性に重きを置き、人の手をほとんどかけず、自然の力によって世代交代を繰り返し、永続する自然の森を目指して本田静六が中心となり設計したものです」とあった。都心にありながら、自然を感じさせてくれる貴重な場所である。

しばらく進むと、右側に日本酒の菰被りの酒樽が並べられている。
外国人観光客は、みんなここで記念撮影をする。
私の同級生の蔵元「豊島屋酒造」の「金婚」も飾ってある。


清酒の奉納棚



酒樽を見ながら進むと、左折して大鳥居がある。
そのまま進むと突き当りに明治天皇の御製の御歌と、昭憲皇太后の御歌がある。
「いつはらぬ 神のこころを うつせみの 世の人みなに うつしてかな」

そこを右に行くと中門があり、その先が本殿である。
外国人観光客の若い女性は裸のような「へそ出しルック」もいる。
ここを宗教施設と分かって来ているのか? でもさすがに騒ぐ人がいないのが救いだ。


明治神宮の中門前で(この奥が本殿)

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コメント

  1. 韻を踏む(Y)

    韻を踏む(Y)

    返信

    明治神宮は日本人の故郷である。原宿は門前市の如く発展したが、今では若者のメッカと言われる。共にインバウンド客により繁栄しているのは喜ばしい限りと言える?
    明治天皇の御歌に「いつはらぬ 神のこころを うつせみの 世の人みなに うつしてかな」
    判りやすく韻を踏んでいる。無学な庶民にも判る様な優しさのあふれた御歌である。

  2. Shinji

    Shinji

    返信

    1958年に建設された「セントラル・アパート」は、格調の高い静かな落ち着いたストイックな美しさにあふれた建物でした。静かながらのおしゃれな風格がありました。昨今の建築物は、節操のない悪ガキがやたらいっぱい叫んでいるような、その場限りの目立ちたがりやの、品位のないものが多いと私は嘆いています。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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