心の伊達市民 第一号

小さな旅(7)・・・豊洲

家の前から東京BRTに乗ると、豊洲駅前まで連れて行ってくれる。
そこでやることが全くない日だったので、暫くぶりに豊洲に行って見ることにした。
中央区と江東区の境にある運河に、古ぼけた鉄道線路がある。
この橋は「旧晴海鉄道橋」で、この一帯に工場を所有していた石川島播磨重工業への引き込み線の跡である。

東京都はこの歴史的な橋を残すと同時に、みんなに利用してもらうことを目的に歩道橋として復活する工事を行っている。
期間は令和6年1月15日から、令和7年6月27日と、かなり長期である。


 工事中の「旧晴海鉄道橋」



橋を渡るとここから先は、元は石川島播磨重工業の広大な敷地だった場所だ。
少し先の左側に現在もIHI(石川島播磨重工業)の本社がある。
その前には会社の名前が、巨大なモニュメントのように立っている。
私が現役の時には近くに田無工場があり、航空機のエンジン関係の仕事をしていたらしい。

現在は工場も無くなってしまったが、私の会社はIHIからパイプ加工の仕事を受注していた。航空機関係だから数量は非常に少ない。
材料は支給されたが、係の社員が「この材料は高価なので、紛失しないように厳重に管理しろ」と言っていたのを思い出した。


 「IHI本社」(豊洲ビル)



豊洲という街はIHIの工場敷地に作られたので、非常に人工的な感じがして生活感を感じない。横断歩道橋に上り、街を眺めた。なんだか整理整頓がしっかりされた街に感じる。一応は緑も植えてあるが、自然な感じは無い。

高層ビルが林立し、オフィスとタワーマンションの街である。
交通の便はそれほど良くなく、地下鉄「有楽町線」の他は、「ゆりかもめ」、東京BRT、都バスが使えるが時間は掛かる。


 横断歩道橋から見た豊洲



表通りを進むと、大きな「豊洲駅前交差点」に出る。
右手に異様な鉄骨が見えるが、ここが「ゆりかもめ」の終点の「豊洲駅」である。
いずれ「ゆりかもめ」をさらに先に延ばすために、橋脚だけを残しているように思える。

この交差点を境に、その先は急に庶民の町になる。
たぶんこの交差点までが、石川島播磨重工業の工場敷地だったのだと思う。


 「ゆりかもめ」の終点駅「豊洲」



今回の豊洲行きの最大の目的はセブンイレブンの日本第一号店が豊洲にあるから、その店を見に行くことだった。
最近のことだが、「セブン&アイHD」がカナダの会社(ACT)から買収提案を受けた話題が経済ニュースで大きく取り上げられている。

総額7兆円を超す大型買収であるが、それに対抗して創業の伊藤家は株式非公開化をすべく銀行団と交渉しているようだ。
セブンイレブンはアメリカの本家であったセブンイレブンを買収し、日本的なコンビニで成長した。いまやコンビニは社会インフラとなっている。
アメリカから買った会社を、今度はカナダに買われそうだ。

「豊洲駅前交差点」を左に曲がると、セブンイレブンはすぐそこだ。この店は古いだけあって、外装は少し古びて見えた。
店の中に入ってみたが、特に他の店とは変わらない。なにも買わずに出るのも申し訳ないので、「かりんとう」を買って出た。


「セブンイレブン」の日本での第一号店



セブンイレブン第一号店を見たので、今回の目的は達成した。
そこで次は来た広い道を旧晴海鉄道端まで戻り、「豊洲ららぽーと」に行くことにした。

運河沿いに左に入ると、遠くに巨大なクレーンが見えて来る。
これがIHIの工場があった証でもある、造船のためのクレーンである。
その横下には「ドック」があり、運河と水路で繋がっている。
遠くに晴海大橋、豊洲大橋、その先にレインボーブリッジも見えている。


 ドックの名残りの観光用クレーン



そのまま進むと、本物のドックの跡に出る。
昔はここで船を浮かべて造船をしていたようで、現在は船着場になっている。
ドックの中間を埋め立ててあり、陸側は階段状になっていてイベントなどに使っている。

クレーンは夜になると、赤・青・黄色などにライトアップされる。
近くには巨大な船のスクリューなども展示してあり、ここが元の造船所であることを示している。



(おまけの話)
ドックの前は広場になっていて、子供たちが遊べるようになっている。
その奥が大きな細長い商業施設の「ららぽーと豊洲」である。
正式名は「アーバンドック ららぽーと豊洲」と長いが、みんなは縮めて「ららぽーと豊洲」と言う。正面入口は反対側の「豊洲駅」側にある。


  ドックから見た「ららぽーと豊洲」



この辺りは以前はIHIだったので、商業施設が無かった。
そこでこの「ららぽーと豊洲」が唯一の大型商業施設となっている。
ファッション、雑貨、飲食、フードコート、映画館、旅行会社、保険会社などなんでも揃っている。

ここで全てが揃ってしまうので、街には商業施設が無いのかもしれない。
私はたまに、ここで映画を見ることがある。


「ららぽーと豊洲」の2階から



飲食店が多く入っているので、見て回った。
最近は悲しいかな、食べたいものが無くなってしまった。
以前なら「うなぎ屋」を探したが、最近は「うなぎ」はあまり好きでなくなった。
ランチに重いものを食べると、夕食に響くので軽いものしか食べない。

大きなフードコートがあるのでそこへ行ってみたが、やはり食べたいものが無い。
結局はいつものように「かけとイカ天」になってしまった。
今になって思うが、若い頃に色々と食べておいてよかった。


 宮武讃岐うどん「かけとイカ天」(570円)

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コメント

  1. 回顧(Y)

    回顧(Y)

    返信

    「お名前」の欄に「か」と打ったら「回顧(Y)」と印字された。
    近頃は「回顧」することが多いのである証拠ですね?
    IHI豊洲には元気に歩ける頃に連れて行ってもらった。懐かしい記憶が蘇った。近代都市「豊洲」は日本の未来都市の趣がありますね!三多摩の緑の田園都市風景にも癒されますが。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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