心の伊達市民 第一号

日本橋で青ポストを探す  


またテレビだが、そんなにテレビばかり見ているわけではない。
朝と夕方のニュースを見ている時に、放映された中で「面白そう」で、あまり「遠くない」場合には見に行っている。
ある日のニュースで「大黄金展」が日本橋高島屋で行われていると知った。
そこには「北斗の拳 ラオウ」が15センチ、100グラムで、319万円で売られているそうだ。

高島屋の受付で会場の場所を尋ねたら、『ここではやっていません。それは玉川高島屋です』と言われてしまった。また私の早とちりだった。
それにしても1グラム8700円の金が、100グラムなら87万円である。高過ぎる!


 日本橋高島屋(90年)の正面の制服展示



「大黄金展」で予定が狂ってしまったので、以前から計画していた日本橋の「青色ポスト」を探すことにした。青色ポストというものは、ほとんど見掛けることは無いと思う。これは「速達専用ポスト」で、日本の高度成長期にニーズが高まり都市部を中心に設置されたそうだ。
1959年から設置が進み、全国の需要が高いオフィス街に400本も設置されたようだ。


日本橋3-4-10



近年は電子メールの普及で、ほとんどの青色ポストは廃止されてしまった。
東京都では千代田区、中央区、港区に35本の青色ポストが設置されていたが、現在はたった6本しかない。
しかもその中の5本が中央区日本橋にあるのだから、見に行かないわけにはいかない。

手紙を受け取ることも珍しくなった時代に、私は友人から1種間に1度の手紙を受け取っている。それはHさんからで、私のブログへのコメントを手紙に書いて送って来る。
「デジタルにアナログで返信」という、誠に変な組み合わせである。


日本橋2-3-21


最近は長く歩くと股関節が痛いので、なるべく歩く歩数を少なくしようと思っている。
そこで都バスで「月島駅前」まで行き、そこから「東京駅八重洲口」行きに乗り換える。今回もGoogle Mapは使わずに、事前に青ポストの場所を調べて、それをプリントして持参した。

5ヶ所の青ポストの位置関係を「確認」という点では、スマホの小さな画面ではなくプリントした地図を評価している。最初の青ポストは都バスの終点の八重洲口の1つ手前で降りると、すぐの場所にあると分った。


茅場町1-7-1



そこは不動産業の「スターツ・グループ」の本社前である。
見慣れた四角の赤ポストの隣に、少し小さめの青いポストがあった。
そこには「速達郵便」という文字があった。ただそれだけで、特に感動も無い。

私は青ポストが存在していたこと自体を知らないので、ここで初めて「青ポスト」を見たのである。世の中で「速達」を使う人が、どのくらいいるのかを知りたくなった。


室町4-5



5ヶ所の内、1ヵ所だけが小伝馬町で少し離れているが、4ヶ所は割合に近くにあるので探すのも簡単だった。私が見て廻っている間には、誰も速達便を出す人を見掛けなかった。きっとそう遠くない内に、「青ポスト」は廃止になる運命のように感じた。

失われつつある「日本文化」を確認する旅になったのは、考えようによっては良かったかもしれない。
次の機会には、「変わり種」のポストを探す旅に出ようと考えている。お楽しみに!


堀留1-8-10



以前に「町中華」の話を書いたが、その時にチェックしたら日本橋にもあると分った。
町中華は「下町の食堂」という思い込みがあるので、「日本橋にー?」と思った。
そこで住所を頼りに青色ポストを探す途中で、ランチを食べに行こうと考えた。

住所の場所には店が無かった。ビルの案内板を見ると「1F 古寿茂」と出ていたが、隙間から覗いたらガランドウだった。外のタイルの壁には、看板を外した跡があった。高島屋に続いて、ここでもハズレだった。
家に戻って万歩計を見たら「9241歩」も歩いていたので、股関節が痛くなった。


町中華「古寿茂」は閉店していた。



(おまけの話)
「青ポスト」が5本だけでは、このブログの記事を埋め切れないので、道中で見掛けた「アート」の写真を見て廻った。
日本橋3丁目の交差点にあるビルの前には、巨大なキリンの彫刻が立っている。
以前から「これは何だ?」と思っていたので、この機会に調べてみた。

するとこのビルを建設したのは漢方薬の「津村順天堂」で、1989年に「バスクリン」で大儲けしてキリン像を立てたのであった。作者は彫刻家の「安藤 泉」で6メートル25センチの高さがある。
キリンを立てた理由は、「漢方の王様」と言われていたことに由来するようだ。


  不動産「スターツ本社」前の「キリン像」



日本橋の裏通りを歩いていると、ビルの前の広場に何気なくアート作品が置いてある。
3丁目に2体の女性像があった。それは下の画像であるが、右側は「ジル」という作品である。作者は「朝倉 響子」で、つま先を立てて腰掛け、待ち合わせでもしているような感じだ。

もう1体はタイトルも作者名も分からなかった。
彫刻は男性はあまり人気が無いのか、色々なところで見掛ける彫刻は女性が多いように思う。


 日本橋のアート



日本橋と言えば「日本橋」である。橋と地名が一緒なので、混同しやすい。
いまは橋の上を通る首都高速道路の撤去が進んでいるが、その内に橋の上から空が見えるようになるはずだ。橋には特徴的な彫刻が飾られている。これは正式には「橋柱装飾品青銅製麒麟像」というそうだ。

「麒麟」は想像上の動物で、本来が翼が無い。しかし日本橋の麒麟は「ここから日本中に飛び立って欲しい」という願いを込めて翼が付けられたそうだ。
「なんでも調べてみるものだ」と思った、日本橋の旅だった。


 日本橋の橋の飾り    

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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