kayaker
前回の話
朝早くからの参拝はとても気持ちの良いものだった。
朝早くからゆっくりと参拝し、
一の鳥居に戻る頃にはだいぶ多くの参拝客で賑わい始めた。
その頃にはもう暑くなり始めていたので
やはり朝参拝は正解であった。
すぐ傍にある神楽殿には
日本一のしめ縄があるということで見に行った。
それは大きいしめ縄であった。
せっかくなので、
近くにある博物館に行ってみようということで、
寄ってみたのだが、
つい最近になって、鎌倉時代のもの
と思われる神殿の巨大な柱が発掘され、
言い伝えにも残っている
高さ96メートルある巨大神殿があったのでは
という話が裏付けられたとか
他にも大量の銅鐸、銅矛が出てきたとか、
とにかく謎と言われる出雲族の痕跡など
とにかくここの博物館は興味深かった。
出雲大社、来てよかった・・・
さてさて、
ということで、我々は出雲大社をあとにし、
いよいよあの友人に会いに行くために
出雲を後にすることにした。
出雲大社からJR出雲駅まで出て・・・
山陰本線から山口線の特急に乗った。
狭い山間を縫って列車は進む。
なかなか北海道にはない雰囲気だ。
この辺も内地とはいえ、何もない田舎だ。
何時間も列車に乗り、
夕方にはやっと目的地の新山口駅に着いた。
途中人家の集まりも少しは見たが、
ほとんど何もないところを走ってきた感じであった。
JR新山口駅は新幹線の駅である。
友人の会社はこの駅のすぐそばにあるというから
駅の近くの居酒屋でも行こうと
あらかじめ店の予約を頼んでおいた。
一応、到着時間を知らせておいたが、
彼には頃合いを見て店で待っているように言っておいた。
何しろ目がよく見えないのだから
あまりうろつかせたくないわでである。
すると、
改札口に彼の姿が見えた。
久しぶりではあったが、
様子は変わっていないようだ。
必死に改札を通る人たちを
目で追って探そうとしているのが見える。
僕はまず、カミさんに先に行かせて
僕は陰に隠れて彼の様子を見ることにした。
すると案の定、
彼にはわからなかったようで
カミさんは改札を通り抜けて
彼の後ろ側に立った。
そろそろ改札を通る人がいなくなった。
彼はオロオロしている様子だったから、
カミさんに合図をして、
後ろから驚かせろと指示した。
カミさんが友人の方を後ろから叩くと
彼はビックリした様子だった。
そこで僕は改札口をすり抜けて
また彼の肩を後ろから叩いた。
「あれー?いつきたの?」
僕は昔から彼のことを揶揄うのが好きだ。
学生時代も彼にはたくさんイタズラしてきた。
お互いにお互いのことをよく知っているから、
結構過激なことをやり合っても
笑ってすませられたのであろう。
気の置けないやつとは
僕にとってはこいつのことである。
久々に再開した我々は
近くのホテルにチェックインをしながら
居酒屋に向かった。
つづく
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