心の伊達市民 第一号

パブリックアートを愛でる

街を散策していると、所々で彫刻や壁画を見ることがある。
これを「パブリックアート」と呼ぶそうだが、特に千代田区に多いように感じている。


意外なのは文化の中心のような中央区ではあまり見掛けない。
中央区は「商売」の街であると同時に、余分な空間が無いのかもしれない。
その代りにギャラリーは多い。でも考えてみたら、これも商売だった。



「意心帰」(安田侃作)・・「へミスフィア・サークル」(リチャード・ロング作)


そこで時々、見掛けるが熱心に見たことは無い、千代田区のパブリックアートを見て歩くことにした。
最初は有楽町の駅前の「東京フォーラム」である。
いつも昼時になると溢れるキッチンカーの並ぶ広場の東京駅近くに、目指すアートはある。


ただ石を円形に並べただけのもの。これは「へミスフィア(半球)・サークル」というタイトルだった。
その先にある大きな、なんとも形容し難い大理石がある。このタイトルは「意心帰」である。
もう1つは錆びた鉄の柵のような物で、なんだか分からなかった。



東京ビエンナーレ出展作品


千代田区でパブリックアートの多いのは、大手町である。
先ず目に付くのはビルの壁に描かれた大きな女性の顔である。
絵の横に書かれた小さな文字を読むと、「東京ビエンナーレ2020~2021」と書かれていた。
昨年は神田の方で、同じような大きな顔のカラー版を見た覚えがある。



「Iliad」


次はサンケイビルの前の巨大な真っ赤なパイプのオブジェである。
これはやたらと目立つ。タイトルは【Iliad(イリアド) Japan】で、作者はアレキサンダー・リーバーマンである。ネット情報によると、『イリアッドは古代ギリシャのトロイアの地で、


トロイアというのは「トロイの木馬」のトロイア戦争を謳った叙事詩である。この斜めにカットされた円柱が作る楕円形の切断面の連鎖が力強くリズミカルな音楽を奏でている』とある。作者は『芸術において重要なのは、スケールを通して畏敬の念と圧倒的なエネルギー』と語っています。



「SUN DIAL」


大手町にある「大手町プレイス」というビルの前に、天まで伸びているかと思われるようなオブジェがある。
この作者は杉本博司で、タイトルは「SUN DIAL」である。
この作品は三次関数の数式を立体的に表現しているのだそうだ。


作品の足元にはその数式が書かれたプレートが貼ってあったが、難しくて良く分からない。
他には彼の作品とは知らなかったが、私が現役の時に取引先に行く時に前を通っていた「新宿の目」もそうだった。



「宙に架かる」


同じく「大手町プレイス」の2階にパブリックアートがあると知り、エスカレーターで登ってみた。
昼時でサラリーマンたちが行き交うのだが、どこに作品があるのか分からなかった。


他の場所も見たが分からず、元の場所に来たら天井にそれはあった。
作者は西野康造で、タイトルは「宙に架かる」だった。道理で天井にあるのだった。
この作品は「中空に浮かぶ円環と水平ブリッジが足元に浮遊し、空中を人々が歩くイメージ」だそうだ。



「コズミックアーチ」  「つくしんぼう」    「SPIRAL UQ」


少しスケールは落ちるが、数が多いのは丸の内仲通りのアート群である。
東京駅丸の内側から日比谷に抜ける、丸ビル裏にある長さ約1キロの道路である。
その道路の両側に6つのアートがある。


「つくしんぼう」、「にわとり」、「ライオン」とテーマは様々だが、見ていて楽しい。2019年には日本中を沸かせたラグビーのワールドカップで大活躍したリー・マイケル選手の銅像も加わった。アートは金持ちのサポートがあって成立つ。やはり大企業の本社が集まる千代田区に、パブリック・アートが多い理由だろうと思った散歩であった。



「BIRD」      「Animal」      「Hard Boiled Daydream」


(おまけの話)
パブリックアートの本場であるアメリカの様子を知りたくなり、Los Angeles の親戚のIさんに問い合わせた。
今のアメリカは新型コロナウィルスの感染者が増え続けていて、1月4日には1日の感染者数が100万人を越えた。


そんな中でパブリックアートを探し廻るのはやはりかなり危険なので、ネットで調べたロサンゼルスのアートとパブリックアートの事情を書いて送ってくれた。



日本人女性なのか?


【Los Angeles にはたくさんの「パブリックアート」があります。High Art では超高層事務所建築の前庭など、からLow Artはペンキ塗りたくり壁画までいろいろあります。なかでも mural と呼ばれる壁画は、パブリックアートかなんだかわからないけど、多くの公衆の眼に触れ、活気があります。


それらは許可のあるものから、勝手に自分の家や建物に描いたもの、また、ペンキを塗るだけのアートなので時事的政治的メッセージを加えたもの等があり、黒人、ラティノ、ヒッピー的人びと、など個性がハッキリと表現されています】



意味不明だが、迫力がある。


【ロサンジェルス市では建物を建てる時に、パブリックアート作成にお金を払わなければならない市の規制があります。市が関連するプロジェクトなら、建設費の総額の1%をパブリックアートに使うこと。また、プライベートデヴェロッパーのプロジェクトの場合は、50万ドルの価値のある建物には、その建物の総面積に応じた計算の仕方でパブリックアートフィー(Fee  義務としての支払い)を払うこと、


あるいは建築許可を下す役所が評価した建物価値の1%、そのどちらかの安い方のフィーを支払うということになります。 いずれにしろ、パブリックアート建設はそこここで見られます。勿論、なかには面白くもない彫刻が建物の前にドカンとあったりするのも、珍しくありません】。


【Los Angeles のパブリックアート】・・・・https://images.search.yahoo.com/search/images;_ylt=Awr9DuwFKtZhHxsA4ihXNyoA;_ylu=Y29sbwNncTEEcG9zAzEEdnRpZAMEc2VjA3Nj?p=general+public+art+in+los+angeles&fr=yfp-t


アートなんだろうが、日本人にはチョットなー。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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