心の伊達市民 第一号

新聞や雑誌では、よく「終りの始まり」という言葉を見掛ける。
政権や国が力を失い、崩壊へと進み出した時の言い方のようだ。
この言葉は私には辛い。人生の終末へカウントダウンが始まっているからである。


私の父は56歳でアチラヘ逝ってしまった。あまりに早過ぎた。
母は86歳で天寿を全うした。心臓発作で、朝起きて来なかったのである。
そういう意味では両親とも介護のお世話にならず、幸せな人生だったかもしれない。



窓から見た太陽の沈み始めと終りの光景


私は3月で80歳を迎えるが、これには自分でも驚いている。
オヤジのことを考えると、私は「こんなに長く生きる」とは全く考えていなかった。
私の人生の全ては「80歳まで」の計画だったので、それまでにやりたいことはやった。


だからこの先に、やりたいことが無くなってしまったのである。
人生はなかなか計画通りにはいかないものである。
私は「死にたい」と思ってはいないが、確実に死に向かっていることは間違いない。



富士山の上空を太陽が通過する


そこで友人達に「この先」に付いての考えを、メールで聞いてみた。
【マンションの友人Xさん】(奥さんが3年前に事故で亡くなった)
『先のことは考えないようにしている。もしボケたら施設に入れるように、娘に言ってある』。


【マンションの友人Yさん)(1年間の入院生活の間に奥さんを施設に預けて、いまは1人暮らし)
『入院中に息子に後のことは頼んである。今は体を動かして、少しでも長く健康寿命を延ばしたい』。
2人とも、あまり深く考えていないようで、私の聞きたいことは話に出て来なかった。





【中高時代の同級生のAさん】
『80歳は不思議な年齢です。80歳を越えて、一つの区切りを感じる。終末への取組みに違和感なく突入できることを知った。林真理子著「小説8050」に関心を持ったのも、80歳という年齢になればこそでしょう。これまでも内館牧子著「今度うまれたなら」、「終った人」、「すぐ死ぬんだから」を読み、老後の悲哀を感じたりしたのも所詮「他人事」だった』。





『他にも多くの作者の本を読み、病と向き合う作家への共感に感動し独りで感涙していた。どうやら私は死への恐怖を美化することにより、恐ろしさから逃げているようだ。いま死への旅立ちの準備期間であると思う。本棚に残った小説類の整理はどうしようか? メルカリにでも売ろうか? ブックオフへ持ち込もうか?』


『いま着ている冬物の処分をどうしようか? 来年の冬は不要かもしれない。車を手放すタイミングを考えているが、必要悪で捨てられない状況にある。あれこれと終末には難しい問題が山積している。・・といま悩んでいる』。





富士山の右側に太陽は沈んで行く(2月12日)


【中高時代の同級生のBさん】
『難しい宿題を頂いたのですが、「死」について深く考えたことはありません。
著名人の死生観もあまり読みませんので、いざ問われてみると難しいですね。
昨年11月に80歳になり、あと何年生きられるかを考えてみましたが、今の体調から考えると6~7年でしょうか。無宗教でもあり、死について恐れる感覚はありません。
自分の人生を振り返ってみると、色々とラッキーな部分が多かったような気がします』。





『振り返ってみればまずまずの人生だったことに、家族や貴君を含め、周りの方々に感謝しております。
残りの人生をどのように過ごすかは、成り行き任せです。特別にやりたいこと、やり残したことは思い浮かびません。「ending note」も作りましたし、少い資産の相続もA4、2枚にまとめて女房、子供に説明済みです』


『葬儀は近くの「くらしの友」で家族葬、墓は樹木葬と決めています。事故や通り魔に会うのはもちろんですが、最後は長患いをせずに、ぽっくり逝きたいものですね』。





(おまけの話)
【アメリカに住む親戚のIさん】
『とてもタイムリーでいい企画です。もっとみんな、死についてトークしましょう。
先週もZOOMでお葬式に参加しましたばかり。Jさんの友人も病気、死と話題が絶えません』


『もう10年以内にJさんともお別れだと、お互いに分っているので、毎日一日一日がかけがえがありません。先日のオミクロンと思った風邪騒動の最中も、「このまま死んでしまうのか」と何度も思いました』



あと1分もしないで太陽は沈む


『高齢になると回復力が著しく遅いのです。私達は「お葬式やメモリアル・サービスをどういう風にしたいか?」。ワインを飲みながら避けることなく、よく話します。メモリアル・サービスで流す音楽はどうするか? ショパンかメンデルスゾーンのあの曲とか、映画やオペラからのあの曲などと曲の選定などもよく話します』。



太陽が今にも沈む瞬間


かなり昔の話だが、私の地元の友人にアメリカ人女性と結婚した男がいた。
その女性の実家はアメリカで葬儀屋を経営していたので、友人から珍しい話を聞いた。


アメリカの葬儀屋は手術室を持っている。土葬が多いので遺体から血液を抜き、その後に腐食剤を注入するのだそうだ。だからドラキュラは夜になると墓場から出て、人間の血を吸って生き返る話が作られたのだそうだ。私はその話を聞く前は、「なぜドラキュラは人間の血を吸うのか?」と思っていたので、その疑問が解けた思いがしたのであった。



太陽の沈んだ後は静寂が訪れるような感じがする(17時16分)


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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