心の伊達市民 第一号
「暑い!、暑い!」と言っていたが、それもどうやら終りのようだ。
夏が終り冬が来るまでの間の季節が私は好きだ。
まだ秋には早いが、少し涼しくなったので久し振りに「豊洲市場」へ行ってみた。
豊洲市場といっても私の行く時間にはセリも終っているので、観光客があまり知らない場所に行った。コロナ騒動が終ったら、同級生達を案内する計画があるので、その下見も兼ねたのである。
築地のコーヒー豆屋に寄ってから、都バスに乗って「新豊洲駅前」で降りた。
そこから「ゆりかも」に乗れば1駅だが、隣の駅が近いので歩いて行った。
久し振りに来たら、新しい建物などが出来ていた。
それはアッシックスの低酸素ジム「アシックス・スポーツ・コンプレックス東京ベイ」と大きく書かれた建物だった。そこを横目で見て進むと、また新しい建物があった。
こちらは「江戸前場下町」という名の飲食街のようだ。
この道を歩くことはほとんど無いので、変化に付いて行けない私だ。
エスカレーターで「ゆりかもめ」の「市場前駅」に行き、そこから右の建物に入る。
左側を行けば「マグロのセリ場」になるが、午前5時30分からセリは始まるので私は1回しか見たことがない。
右の建物は飲食店街と仲買市場だが、そこには行かず途中でエレベーターに乗り5階まで行く。この日は観光客もそこそこいたが、このエレベーターに乗る人はいない。
エレベーターを降りると、そこは建物の屋上となっていて誰もいない。
左に少し進むと鉄製の階段があり、そこを上る。
するとそこは芝生が植えられた「屋上緑化広場」となっている。
ここからは全方向が見渡せて、レインボーブリッジ、私の住むマンション、豊洲ららぽーと、東雲などが見える。
しかしコロナでこの広場が閉鎖中の間に、雑草が生え放題となってしまっていた。
作業員が芝刈り機で雑草を刈っている姿が見えたが、その刈り取った後は情けない姿になっていてガッカリだった。
しばらくウロウロしたが、座ると前日の雨がズボンに沁みたので止めた。
帰りはエレベーターで「ぐるり公園」側に下りた。
こちらではジョギングをする人、サイクリングをする人、釣りをする人などで賑わっていた。私はいつもの定位置である、「豊洲大橋」の下の木製の階段に場所を確保した。
この日はこの階段には誰もいなかったので、気兼ねなく中央の一番上に座った。
この日の都心の最高気温は28度だったが、橋の下ではかなり気温が低いように感じた。
いつもは潮風の匂いがするのだが、この日は北風が吹き都心から海の方に風が吹いていたので少し寒いくらいだった。
来る途中で買った「いなり寿司」と「デザート」のプリンを食べて、至福の時を過ごした。その時、マンションの友人から電話があり、『3階のカフェでお茶をしませんか?』と誘われたので、本当はもっとここに居たかったが家に戻ったのである。
(おまけの話)
豊洲大橋の下で持参した本を読みながら、気持ちの良い時間を過ごした。
その本は原田ひ香の「おっぱいマンション改修争議」という名で、新橋にあり取り壊された黒川紀章設計の「中銀カプセルタワー」を思わせるマンションの架空の話である。
登場人物はカリスマ設計者の小宮山悟朗、娘のみどり、弟子の岸田恭三、マンション建て替えの住民代表の市瀬清である。私は「中銀カプセルタワー」の解体を見に行き、カプセルがクレーンで吊り上げられる場面を撮影したかったが、何回か行ったがその瞬間に立ち会えなかった。そんなことで、この本のストーリーは現実と交差して、とても面白かった。
次に読んだのは弘中惇一郎の「生涯弁護人」で、(1)と(2)があり、それぞれ500ページもある。その内容は過去の大きな事件に付いての裁判の経過とその判決で、著者は「無罪請負人」としても有名である。
(1)に登場する有名な事件からいくつか抜粋すると、「村木厚子事件」、「三浦和義事件」、「鈴木宗男事件」などがある。弘中弁護士は本の中で指摘している。「日本の刑事事件の有罪率は99.9%である。これが問題で、検察は有罪にしようと調書を彼らの考えるストーリーで書く。村木事件では証人が裁判の時に調書を否定し、更に検察は証拠の電子データを改ざんした。これが裁判で明らかになり、検察官2人は懲戒免職となった裁判史上に残る大事件であった。
(2)では「安部英医師薬害エイズ事件」、「カルロス・ゴーン事件」、「野村沙知代事件」などがある。
いずれも無罪になった事件だが、逮捕の時にメディアに大きく報道されてしまい、その時点で「悪者」にされてしまう。また検察は世間を味方に付けようと考えて、自分達の考えるストーリーをメディアにリークする。
裁判の結果、無罪になってもメディアは逮捕の時に大騒ぎしたので、体裁が悪いのか無罪は大きくは報道しない。「カルロス・ゴーン事件」はゴーンが国外に逃亡してしまったので、裁判は停止状態のままである。
しかし裁判が終りまで行けば、ほぼ無罪は間違いなかったようだ。
だが日本の裁判制度では取調べの時に否認すると、色々な理由を付けて保釈が許されず勾留がいつまでも続く。これが世界からも評判の悪い「人質司法」というのだそうだ。
それに耐えきれず国外逃亡したゴーンにも同情の余地はあるようだ。
「痴漢冤罪事件」も多いようで、なかなか無罪を勝ち取ることが難しい事件のようだ。
誰もが被疑者になる恐れがあり、無罪を証明するのが非常に難しい事件である。文中ではハッキリとは書いていないが、『黙ってその場を立ち去る』のがベストのようだ。 2冊で1000ページにもなる本だが、とても面白かった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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