心の伊達市民 第一号

ベトナムの日本語学校の先生からメールが来た。
『9月2日から日本に研修に行く。1ヶ月近く、埼玉県北浦和に滞在する』と書いてあった。どうやら新しくなる技能実習生制度の変更に伴う研修のようだった。

現在も多くのアジアの若者が技能実習制度を利用して、日本に来ている。
中小企業では彼等無くしては、経営が成り立たないまでになっている。


アジア各国からやって来た研修生たち(ニエンさん提供)


しかしこの制度の本来の目的は、「アジアの若者が日本企業で働いてもらいながら、進んだ日本の技術を見に付けて帰国し、その後、出身国の技術向上に役立ててもらう」というものだった。しかし現実は全く違い、企業は安い労働力と見做し、日本人がやりたがらない単純作業をさせている。

だから帰国しても技術は身に付いておらず、時には期間中に逃げ出して犯罪に走る者さえ出て来た。さすがに政府も「これはまずい!」と思ったのか、制度を改めることにしたようだ。


 東京駅に来たニエンさん(左)とデュックさん。


その改める制度を事前に送り出し国のアジアの指導的な立場の人達に、研修を通じて理解してもらうのが目的であり、その研修に日本政府の費用で招聘されたのが彼女達だった。
(注)これは私の勝手な理解だと後で分かった。彼女達は「日本語の教授方法を学びに来た」のであった。

研修に来るには試験があったそうだ。彼女の属する私が顧問をしている会社からは、45人が応募した。選抜試験は日本側が行ない5人が合格し、今回はその中の2人がやって来たのだった。


汐留の宮崎駿デザインの時計台。


1人はニエンさんという女性で、以前に1回だけ日本に来たことがある。
もう1人はデュックさんという男性で、日本は3日目で、以前に長崎の大学に6ヶ月の短期留学の経験もある。選抜試験は「論文」なので、かなりの日本語能力が必要と思われる。

研修所は「国際交流基金 日本語国際センター」というところで、宿舎も食堂も完備されているそうだ。宿泊者は個室で、食事は朝昼晩の3食が提供される。
土曜・日曜・祝日は食堂はお休みで、その分として1人地当り2910円が現金で支給される。私から見ると、「至れり尽くせり」である。


レインボー・ブリッジの上を歩く。


17日の午前9時30分に東京駅丸の内南口改札口で待ち合わせて、問題無く2人に会えた。
そのまま山手線に乗り新橋駅で降りて、「ゆりかもめ」に乗って「芝浦駅」で降りた。
そこから歩いてレインボーブリッジの下に着き、エレベーターで7階に上がる。

そして普通の東京観光では経験できない「レインボー・ブリッジを歩いて渡る」を行った。レインボー・ブリッジを歩くと、すぐ隣の一般道を大型トラックが疾走して行く。
左手には東京都心の光景が広がり、東京タワーやスカイツリーも見える。


 レインボー・ブリッジの上から我が家方面を見る。


約40分ほどでお台場に着き、次は東京ビッグサイトへ向かう。
途中でランチをして、そこでゆっくり時間を過ごす。
そして「東京ビッグサイト駅」から「ゆりかもめ」に乗る。

2人は無人運転の電車に驚き、一番前の席に陣取りスマホで動画を撮影している。
彼等はその動画をfacebookに投稿するようだ。
「どこの国の若者も、似たようなことをやるんだなー」と感じた時だった。


 レインボー・ブリッジのお台場側から歩いて来た芝浦方面を見る。


「市場前駅」で「ゆりかもめ」を降り、豊洲市場を少しだけ見学してから私の住むマンションまで歩いて行った。その頃にはニエンさんはもう疲れ切っていて、歩くのも大変なようだった。
ベトナム人はどんな近くてもバイクに乗って、歩くことをしないのでとても足が弱い。

やっと私の家に到着し、2人はゲストルームに入った。
そしてシャワーを浴びて休憩後の午後7時に、私の家に2人でやって来て夕食を食べた。
部屋の電気を消して東京の夜景を楽しみ、満足そうに部屋に戻って行った。


台場の「ユニコーン・ガンダム」の前で3人で記念撮影。


(おまけの話)
今回の研修にはアジアの国々から21人がやって来て、一緒に研修を受けている。
ベトナムからはもう1人、ハノイからも女性が来ているそうだ。

参加者の共通語は日本語なのだが、国によりかなり能力があるようで、一番日本語が上手なのはインドネシア人達だそうだ。先生が良いのか、勉強期間が長いのか分からないが、インドネシア人には介護資格を取って日本に永住するつもりの女性が多いので、心構えが違うのかもしれない。


「ゆりかもめ」の先頭車両から動画撮影するデュックさん。


ベトナム人の日本語は慣れていないと誤解をする。
「行く」と「来る」が日本と違い、英語の文法に似ている。
ニエンさんが私に寄越したメールでは『3日間の中で、一緒に働いていた日本人の先生に会う予定をしている。彼女に東京駅に来ます』と書いてあった。

私はその意味が計りかねた。『彼女が東京駅に来るのか? それともニエンさんが東京駅に迎えに行くのか?』。ニエンさんが我が家に来た時に確認したら、「彼女は東京駅から私の家に来る」だった。


我が家で電気を消して、東京の夜景を楽しむ2人。


観光をしながら、色々な話もする。
しかし私にとっては、歩くことより彼女の言葉を理解する方が疲れる。
日本人同士の会話では一生懸命に話を聞く必要は無く、自然と耳に入って来る。
しかしこれが外国人だと、そうはいかない。会話から「本当はこう言いたいんだな」と推察することも必要になる。

大した内容の話ではない時は、よく分からなくても聞き直さず『うん。うん』と相槌を打つ。それが疲れない秘訣でもあるのだ。
外国人と付き合えば、ボケ防止になるかもしれない。


夕食は女房の手作りの和食。


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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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