心の伊達市民 第一号
新聞の土曜版に「ツリーハウス」の特集が載っていた。
私の育った家は庭が広く大きな木が何本かあったので、そこにハンモックを吊るして遊んだことを思い出した。ツリーハウスと言えば、「田舎」に決っていると思っていた。
ところが調べてみたら、なんと東京都内に2軒のツリーハウスがあった。
その2軒とも港区にあると分ったので、早速に見に行ってみた。
【ビオトープ】
1軒目は「ビオトープ」で、「Bio Top」と書く。場所は港区白金で、ファッションのお店だった。この名前の由来は動物や植物が安定して生活できる生息空間のことで、ドイツで生まれた概念である。「bio(命)」と「topos(場所)」というギリシャ語を組み合わせた造語だそうだ。
「川やアマゾンの雨林などの大きな空間から、池や小鉢などの小さな空間まで、魚や虫、多様な微生物が住まうところはビオトープと呼ばれる」と解説に書いてあった。
三田線の「白金台駅」を出て目黒方面に進む。
ドンキホーテもあり、あまり高級感は無かった。その先の白金台交差点を右折する。
道路の両側に大きな銀杏並木があり、落ち着いた雰囲気の通りである。
右側にはお洒落な店が続き、高級感が漂う。さすがにこの辺りは「白金」である。
「シロガネーゼ」らしき女性が歩いているかと思ったが、この暑い最中に歩く人はいなかった。5分ほど歩くと、右側に「東京大学医科研病院」があり、その少し先に「ビオトープ」はあった。
狭い入口を入ると、植物が所狭しと並んでいて、左手奥がお店らしい。
女性店員らしき人がいたので聞いてみた。
私 『ツリーハウスはどこから行けるのですか?』
女性『その先のドアを開けて、鉄の階段を上って下さい』
私 『お茶は飲めるのですか?』
女性『ツリーハウスでは飲めません。でもカフェは今日は定休日です』
私は店の奥のガラスのドアを開けて外へ出た。
すると狭い裏庭に大きな木があり、その横に鉄の階段があった。
下から見上げたら、2階の屋上くらいの高さのところに、ツリーハウスの床の裏側が見えた。私は手摺につかまりながら、鉄の階段を上って行った。
ツリーハウスの入ると広さは2畳ほどで、中には何も無くゆっくり寛ぐということも出来ない。このツリーハウスは2010年に完成したが、木の成長と老朽化のために2023年7月にリニューアル・オープンしたそうだ。
私のツリーハウスのイメージは、「中に入ると椅子とテーブルくらいはあり、インターフォンでコーヒーなど注文して、そこで木の上でも雰囲気を楽しむ」であったが違った。部屋の中は狭いので、記念写真を撮ろうと思ったがとても難しい。
このツリーハウスを目当てに来る人も、あまりいないのではないかと思った。
階段を降りる時に2階のカフェが見えたが、そこから「どう見えたか?」は定休日なので分からなかった。でもこんなものを作る店のオーナーの、お金と気持ちの余裕を感じた店だった。
(おまけの話)
【フルーレ・ユニヴェセール】
2軒目は港区南麻布にある「フルーレ・ユニヴェセール」という名の花屋さんだった。
この名前はフランス語で「Fleur Universelle」と書き、英語では「Universal Flower」になる。
1軒目でお茶でもするつもりが出来なかったので、帰るには時間が早過ぎた。
そこで2軒目のツリーハウスに行くことにした。この日に2軒目に行くつもりでいなかったので、店の名前も住所も控えて来なかった。かすかな記憶で「有栖川公園」の手前と覚えていたので、その辺りを歩き廻ったが見付けられなかった。
暑くて堪らないので、明治屋の入ったビルに入って冷房で体を冷やした。
そして落ち着いてから、スマホで「港区・ツリーハウス」で検索してみた。
その結果であるが、有栖川公園よりかなり手前の路地を左に入り、すぐの路地をまた左に入ると分った。
そして大きな木がある場所で上を見たら、小さな壊れそうなツリーハウスがあった。
店の名前は「フルーレ・ユニヴェセール」と洒落ているが、店はあまりお洒落でなかった。木の枝を絡め自然観を出していて、遠くから見た時は廃屋のように見えた。
ツリーハウスの下に行くと、そこへ上るハシゴのような階段があった。
でも手摺が枝で出来ているので、折れて落ちるのではないかと思い怖くて上れなかった。
こちらのツリーハウスは白金の物より、かなり小さいように見えた。
ただ路地に面しているので、誰でも下から見ることが出来る。
一方で白金のツリーハウスは道路からは見えない。
都心の2軒のツリーハウスは、私の予想したものとは違い小さくて狭かった。
でも東京を代表する高級住宅街のある「港区」で、しかもその代表格の「白金」と「広尾」にツリーハウスがあるというのが不思議だった。
白金と広尾は歩いても20分くらいで行ける距離だったが、熱中症になるのを避けて地下鉄に乗った。
「白金台」から地下鉄「南北線」で「麻布十番」に出て、そこから「大江戸線」で「六本木」に出る。更にそこから「日比谷線」で「広尾」に出る。この経路で行って「35分」掛った。歩きより地下鉄の方が時間が掛るという、変な経験だった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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