心の伊達市民 第一号

豪雪の旅(1)・・・・・・ベトナム人実習生

ブログ閉鎖中の話題(2015年2月13日)

石川県に羽咋市という町がある。
私は羽咋(はくい)という字を読めなかったし、そんな町があるのは初めて知った。
その羽咋市にベトナムから実習生が来ていて、工場で働いている。

その実習生達というのは、私が顧問をしているホーチミン市のKAIZEN日本語学校を卒業した人達である。そして彼らは私がホーチミン市に3ヶ月間、滞在した時に日本語を教えた生徒達である。


東京駅 午前7時発の新幹線に乗る。



その実習生達の中にティエンさんという25歳の若い女性がいる。
彼女は頑張り屋で、私がホーチミン市にいた時に熱心に自分の将来のことを語っていた。そこで私は彼女の現在の状況を確認するためと、将来のことに付いて相談に乗ってあげる為に、この寒い中を羽咋市まで行くことになったのである。


越後湯沢駅で北陸本線「はくたか」に乗り変える。



東京駅を午前7時の新幹線に乗り、越後湯沢駅で乗り換えて北陸本線で金沢に向う。
3月14日に東京~金沢間が新幹線で結ばれるので、この路線は廃止となる。
だから北陸本線の急行「はくたか」の最後の写真を撮ろうとしている「撮り鉄」が、駅でも沿線でも溢れていた。


北陸本線の車窓からは雪景色が見える。



金沢駅で1時間弱の待ち合わせで北陸本線の列車に乗り、津幡駅で七尾線に入る。
そして東京から5時間半で、やっと羽咋までやって来た。
羽咋駅では1年半ぶりに会うティエンさんが迎えに出ていて、そこからタクシーに乗った。着いた家は一戸建てで、タクシーの運転手は「ここは竹田さんの家だ」と言った。


金沢駅から北陸本線で津幡駅に着き、そこから七尾線に入る。



家は相当に古く、中に入ると4部屋があり、昼間なのに電気を点けても薄暗い。
裏日本の海岸線に近い家は、日本海から吹き付ける冷たい風で体の芯から冷える。
小さな電気ストーブが1つあるだけで、家の中でも実習生達は外と同じ格好をしている。トイレを借りたら、なんと今の日本では見掛けなくなった「汲み取り式」だった。
でもベトナムでは当たり前なので、彼らは気にしていないようだ。


古い民家は古い日本映画のセットのようだった。



私は「お客様が来たのだから、お茶くらい出して」と言ったら、「お茶は無いので、お湯を・・」と言って白湯が出た。 白湯は忘れるくらい昔に飲んだ覚えがある。
お土産に持参した大量の洗濯済みの冬物の古着、チョコレート、お菓子などを広げて、みんなで楽しんだ。一番のお気に入りは、やはりアジア人に一番人気の「抹茶味のキットカット」だった。


台所は狭く、みんなで当番で自炊している。



夕食はみんなの希望を入れて駅までタクシーで行き、レストランでハンバーグを食べた。でも悲しいかな、誰もナイフとフォークの使い方を知らない。
「ドリンクバー」も頼んだが、その意味が分からず2杯目は水を飲んでいるので、ドリンクバーの説明に手こずった。

石川県まで行って、なんだか現代の女工哀史を自ら体験してしまったようだ。
こんな人達によって日本経済が支えられているなら、どこかおかしいと感じた旅だった。


プレゼントのコートをティエンさんが嬉しそうに着てみる。



(おまけの話)
羽咋市訪問に関しては、ティエンさんと何回かのメール交信をした。
そして、最終的に羽咋駅に出迎えてもらい、彼女のアパートで昼食に手作りのベトナム料理をご馳走になることになった。
私がティエンさんに希望したのは「バインセオ」で、私がベトナムで気に入ってよく食べたものだった。彼女は一生懸命に私のために「バインセオ」を作ってくれた。


「バインセオ」



訪問前の彼女から届いたメールが下記のものである。
『メールを分かりました。2月8日に羽咋駅に12時25分から私達は先生を待ちます。でも、羽咋駅から私達のアパートまで先生はタクシーに乗りますか? もし先生は若い時に戻って欲しいなら私達と一緒に自転車で行きましょうね』




『先生は私達のアパートに着いた後にお昼ご飯を一緒に食べましょう。お昼ご飯はバインセオとぜんざいと鶏肉のおかゆです。夕食は羽咋市の店で食べましょう。その時にみんなは何を食べたがったらその店にします。今予約しなくてもいいです。」

このくらいの文章が書けたら、日本語学校の先生になれると思う。
もっと下手な先生も沢山いるのだから・・・・。

夕食後に彼らと別れて、私は1人で「羽咋駅」から列車に乗った。
羽咋駅では乗車する人は私だけで、電車は夜行列車のような哀愁が漂う。 電化はされているが、全線が単線である。


羽咋駅に到着した帰りの列車

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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