心の伊達市民 第一号

ふるさと納税を考える

ブログ閉鎖中の話題(2016年12月28日)


ある時、女房が言った。「あなたもふるさと納税をやったら?」。
私も女房も「東京生まれ、東京育ち」だから、故郷と言える場所は無い。
それにリタイアしてから年金しか収入が無いので、ろくに住民税も払っていないから「ふるさと納税」をするほどの人ではない。



「ふるさと納税」の返礼品のパンフレット。


銀座に用事があって出掛けた時に2丁目辺りのビルの前で、「ふるさと納税説明会」の看板を持って立っている男がいて呼び込まれた。そこでビルの6階の会場に行ってみたら、各市町村の「ふるさと納税」に関するパンフレットが置いてあり、そこには係員がいた。



九州・大崎町の完熟マンゴー


そこで私はその男に説明を求めたのである。 その結果、分かったことがある。
*ふるさと納税は収入に応じて、自分の希望する市町村に現金で寄付が出来る。

*市町村は寄付金に対して、かなり高額の返礼品を送っている。
*今年の寄付金は来年の6月から自分の住む住所の役所から住民税を差し引かれる。
*寄付金額に関らず、2000円は寄付した人の負担となる。



焼津市のズワイガニ。


*例えば5万円をある市町村に寄付した場合、4万8000円が翌年の住民税から差し引かれる。
*寄付金で税額控除となる上限額は、大よそ収めた住民税の20%になっている。

*寄付金額に上限は無いが、例えば1000万円の住民税を支払っていた人が、200万円を寄付して 200万円分の返礼の品物をもらった場合でも、たった2000円の負担で返礼品をもらえる。
*簡単に言えば、たった2000円で200万円分の商品を受け取っているのである。



焼津市の「ミナミまぐろ」。


係の男もこの制度の不備を嘆いていた。
最近では返礼品の競争になっていて、市町村のランク付けがネットで出るようになった。
もうこうなると寄付ではなく、返礼目当てになっている。

また、自分の故郷に寄付するという当初の目的から大きく外れ、中には金券を配ったりするところも出て来て、さすがにこれは行政側から注意されている。



佐賀県小城市の和牛ステーキ肉。


最近のニュースでは、ある市町村で「ふるさと納税で税収が上がったので、議員報酬を増額する」という全く納税者をバカにしたことも出て来ている。
テレビでは「返礼品だけで生活している」という家族が出て来て、自慢げに話していたが、なんだか卑しい社会になっている。



全国の名産品がいっぱい。



私の住む中央区に対する寄付金額はどうなっているのかと思い、調べてみた。そして驚いた。
2013年     9件    53,900円(中央区は寄付金に対して、返礼の品は送らない)
2014年    12件   68,750円
2015年    16件    105,579,674円(この年だけ大口の寄付があったようだ)

東京都は昨年は「ふるさと納税」で、249億円の税収を失ったのである。
中央区のデータは無かったが、多分、50億円くらいは失っているだろう。



「ふぐ」、「伊勢エビ」もある。


(おまけの話)
私が伊達市に滞在中に、市役所の職員がコテージを訪ねて来た。
そして「相談がある。町の活性化を考えているが、アイディアを頂きたい」。
私にはすぐ思い付くアイディアがあった。それは「今は伊達市民ではない人達」のことである。


有珠湾の鮭の定置網漁。 私は漁師に誘われて、毎年10月初めに漁に行っていた。


・色々な事情があり伊達市を去ったが、故郷であることは変りない人達が大勢いる。
・私のように伊達市が気に入って、短期的に住んでいる人達がいる。
「このような人達を放っておかず、色々な方法で関係を続ける制度を作れば良い」と話したら、彼もそれに近い考えがあったようだ。


真冬のトーヤレイクヒルGCで、スノー・モービルを楽しんだ。



そして出来たのが「心の伊達市民」という制度である。
この制度に参加すると、「仮の住民票を発行してくれる」、「名刺を作ってくれる」、「市報を送ってくれる」、「新聞の切り抜きで伊達市の記事を送ってくれる」、そして仮の住民税で寄付をするとカタログが送られて来て、金額に応じた伊達市の産品をもらえる。

今になって考えると、伊達市の「心の伊達市民」制度は「ふるさと納税」の先取りだった。
政府が伊達市のアイディアをパクったのではないか?


後方の山の頂上に見えるのは、サミット会場にもなったウィンザー・ホテル。

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北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

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