心の伊達市民 第一号
そろそろ木塲で「角乗」を披露する時期だと思い、ネットで調べてみた。
すると10月20日(日)の午前11時から、午後3時までのようだった。
何回もやると思った私は、門前仲町で早めのランチをしてからバスに乗った。
バスの中でもう一度確認したら、なんと午前11時から12時30分までだった。
私は焦った。木塲駅前でバスを降り開催場所まで走って行った。
12時15分に着いたら、もう角乗用の池の周りは大勢の人で囲まれていてよく見えない。
この日は10月だというのに、気温は30.9度と異常だった。
角乗の演技をする方よりも、直射日光の下で見ている方が大変だった。
どこか潜り込む隙間は無いかとウロウロしていたら、前の方にいた2人が暑さにやられて出て来た。一番前と次くらいまでは地面に座って見ている。
3番目くらいからは立って見ているので、空間が見えた。
そこで私に思い切って、『すみません。前に行かせて下さい』と言って、しゃがんで前に進んだ。そして、どうやら邪魔が入らないで、動画が撮影できる場所を確保した。
でも、もう残り時間は少ない。
なんとか落ち着いて撮影が出来る状態になったら、「梯子乗り」の演技となった。
浮かんだ角材の上に梯子を立てて、そこに演技者が上って色々な演技をする。
よく正月や消防の記念日などに陸上で行う梯子乗りを、水に浮かんが梯子の上で行うのである。これはかなり難易度が高そうだった。
でも落ちても下は水だから、地面と違い怪我はしない利点がある。
次に「戻り駕籠乗り」が始まった。
これは子供を乗せた駕籠を2人で担ぎ、木材の上で後ろに回転させながら岸に戻る演技だ。2人は別々の木材の上に乗っているので、同じ回転スピードでないとバランスが取れない。
ここで動画撮影に切り替えた。静止画と違い、動画は圧倒的に情報量が多いので、説明は要らない。写真は動画から静止画を切り取ったので、映像があまりハッキリしない。
最初の内は上手く行っていた。私は「上手だなー」と思いながら、カメラの画像を見ていた。するとなんだか動きが怪しくなって来た。片方の男が角材を回すのを止めたのである。それでバランスを取り戻そうとしたのだろう。
2人は別々の角材に乗っているから、距離が離れたら駕籠は担げなくなる。
そして遂に耐え切れず、3人とも水中に落ちてしまった。でも観衆は拍手で称えた。
次はかなり難易度の高い「三宝乗り」だった。
不安定な角材の上に、三宝を3段積み上げる。これだけでも難しいようだ。
積み上げた三宝の上に、そろり・そろりと上る。角材が揺れる。
やっと三宝の上に乗ったが、そこからが難しい。立ち上がるのである。
それで終りかと思ったら、なんとそこから角材の上に飛び降りたのである。
でも細い角材に着地し、水に落ちなかった。大きな歓声と拍手が起きた。
この角乗は「木塲角乗保存会」のメンバーが行うようで、ネット情報では『彼らは10月のお披露目を前に、木塲公園のイベント池での練習が熱を帯びて来た。毎週日曜日の朝に、木塲角乗保存会のメンバー約15人が集まる。角乗は江戸時代から昭和にかけて木材の集積地「木塲」で・・・』
『川の水を利用した木材の輸送・保管・流通に携わった「川並」の余技として伝わる。林業も木材産業も私たちの生活も大きく変わった今なお、技は継承されている』とあった。
全部で12種類の演技があるようだが、私は遅れていったので4種類しか見られなかったのが残念だ。
(おまけの話)
【格安うなぎ】
雑誌で見たと思うが、格安うなぎチェーンの「成瀬」が大活躍しているそうだ。
3年で277店も展開しているそうで、うなぎ屋がそんなことが出来るのかと疑問に思っていた。木塲の角乗に行く時に門前仲町に店があると分かり、興味本位だけで店に入った。
「並」(1600円)を注文し時計で測っていたら、たった5分で出て来た。
半身のサイズが普通より大きく、肉厚がある。後で調べたら、アメリカうなぎだそうだ。調理済みの冷凍かば焼きを提携先から仕入れ、店でアルバイトが特別な機械で焼き直して出している。「また行くか?」と聞かれれば、私は「行かない」と答える。
【マーボー豆腐】
木塲方面に行った時は必ず、木塲ギャザリアで夕食用に陳健一の「マーボー豆腐」を買って帰る。色々な店のマーボー豆腐を食したが、この店の味が私には合っている。
買って帰ったマーボー豆腐をただ温めて食べるのではなく、切ったナスのから揚げと豆腐を追加する。これで味は変わらないが、我が家風のマーボー豆腐になる。
この日の店は日曜日だったせいか、店で食べる人が外に15人も待っていた。
【太鼓演奏】
往きのバスで富岡八幡宮の前を通過した時に、窓からなにやら太鼓の準備をしているのが見えた。なにかは分からなかったが、ギャザリアでマーボー豆腐を買った後に、バスに乗らずに歩いて八幡宮へ行った。遠くからでも、太鼓の大きな音が聞こえる。
近付いて行くと、まだ見えないが音が体に響いて来る。
富岡八幡宮の前に行ったら、10人以上の集団で太鼓演奏をしていた。
このグループは富岡八幡宮を中心に活動している、「葵太鼓」という名の太鼓演奏グループだそうだ。
「うなぎ」から始まり「角乗、太鼓」まで和風の一日だったと言いたいが、途中に中華が入ってしまった。
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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