心の伊達市民 第一号

写真で見る東京(86)・・・春のうららの隅田川

「春のうららの隅田川・・・・」から始まる「花」という童謡がある。
「花」は作詞・武島 羽衣、作曲・滝廉太郎である。

『春のうららの隅田川  のぼりくだりの舟人が   櫂のしづくも 花と散る  ながめを何にたとうべき  見ずやあけぼの露浴びて  われにもの言ふ桜木を  見ずや夕ぐれ手をのべて  われさしまねく青柳を  錦おりなす長堤に  暮るればのぼるおぼろ月  げに一刻も 千金の  ながめを何にたとうべき  ながめを何にたとうべき』。

「春のうらら」の「うらら」とは何かと思い、いつものようにネットで調べた。
その漢字は「麗」で、意味は「空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま」とあった。私は隅田川の見える場所に住んだという縁があるので、今年は「春のうらら」で隅田川の岸辺に咲く桜を見て廻った。
(注)同じ中央区でも場所により咲く日にばらつきがあるので、撮影日は順不同。


 近所の桜が咲いた(3月26日)



『勝どきの小さな公園』(3月29日)/雨(最高気温8.9度)
私の住むマンションの敷地内には、残念ながらソメイヨシノは植えられていない。
先ずは隅田川に出た。そこに小さな公園風敷地があり、向かい側は元の築地場内市場である。公園の名前は無い。この公園は少し小高い場所にあるので、石段を登る。

隅田川のテラスに出る時は、反対側の石段を降りる。
しかし現在は護岸工事の為に、ここからはテラスに降りられなかった。
ここの桜は例年、割合に早く咲き、とても綺麗だ。しかも向かい側のガラス張りのビル全体に桜が綺麗に映る。また花が終る頃には、地面とベンチに落ちた花びらがとても良い感じになる。


「勝どきの小さな公園」(3月29日)



『はとば公園』(3月31日)/雨(最高気温8.9度)
勝鬨橋を渡って対岸に出る。そこから上流に向かって歩くと、すぐ左手に「はとば公園」があり、大きなメッキの球体オブジェが置かれている。
このオブジェの作者は井上 武吉で、作品のタイトルは「my sky hole」である。
作者の思いは「自分との出会い、自然の豊かな恵み、生命の営み」で、光の明暗、水の音、静寂を感じさせる作品になっている。

私は球体に桜の花が映るように考えて写真を撮ろうと思ったが、桜との距離が遠くて駄目だった。そこで桜の花とオブジェで我慢した。
オブジェから道路に降りると、そこは満開の木が何本もあった。


「はとば公園」のオブジェ「my sky hole」(3月27日)



『あかつき公園』(3月31日)
隅田川から少し離れるが「はとば公園」を出て先に進むと、左手に「あかつき公園」がある。ここでは秋になると「カリン」を拾い、メタセコイアの森を楽しむ。
2月初旬にはここで姉妹都市の山形県東根市から大量の雪を運んで来て、「雪まつり」も行われた。

桜の木はあまり無いが、今回、私が気が付いたことがある。
公園の入口に「銅像があるな」と知ってはいたが、誰かは確認したことが無かった。
今回の件で確認したら、あの有名な蘭学者(西洋医学者)の「シーボルト」だった。
中央区とシーボルトの関係は「娘のイネが築地に産院を開業した」ことからだそうだ。


「あかつき公園」の「シーボルト像」(3月27日)



『明石町河岸公園』(4月1日)/雨(最高気温5.7度)
「あかつき公園」を出て先に進み、聖路加国際病院の右手のタワー棟の裏に出る。
そこは隅田川に面していて、一段高い場所に桜の小道が整備されている。
ここの公園の名前が「明石町河岸公園」というのを初めて知った。
ついでに調べたら、なんと中央区には90ヶ所の大小の公園があるそうだ。

明石町河岸公園は隅田川の左側だけが桜並木なので、写真の撮り方によっては「桜のトンネル」になる。しかし今年はどうしたことか、桜がほとんど咲いていない。
咲かずに終ってしまうのか?


「明石町河岸公園」



『リバーシティ21』(4月1日)
聖路加国際病院裏をそのまま進み、佃大橋で対岸に渡る。
橋を渡って左へ行くと、「リバーシティ21」という名の高級マンション住宅街に入る。
ここには有名人も多く住んでいるそうだ。隅田川沿いのテラスを歩くと、右手に桜並木が続く。

交通の便には多少の問題はあるが、高級住宅街である。緑も多く隣には住吉神社もあり、自然環境が良い場所だ。この日は朝から気温が低く、小雨も降っていた。
花見客もいない。雨に濡れた斜面の緑と桜が映えていた。


 「リバーシティ21」



『石川島公園』(4月1日)
リバーシティ21の隅田川沿いのテラスをそのまま進むと、半島は行き止まりとなるのでテラスに沿って右に行く。

石川島公園の名前の歴史は『石川島は佃二丁目の江戸時代からの旧名で、この地を領した石川家の名に由来し、この地に設立された造船所を起源とするIHIの旧社名「石川島播磨重工業」と同様の命名』である。運河沿いの一段高い堤防の上に「パリ広場」という20坪ほどの変な広場がある。

これは『隅田川とフランスのセーヌ川が友好河川を結び、その証として1999年にここに「パリ広場」が作られた』ものだそうだ。
ここでは春には「かるがも」、冬には「ゆりかもめ」などが多く見られ、清澄通りに近い場所では「桜のトンネル」になる。



(おまけの話)
『月島川両岸』(4月1日)
帰り道は隅田川から少しだけ離れて隅田川から水門を入った「月島川両岸」、朝潮運河沿いの「黎明橋公園」と、「朝潮運河沿い」を見ながら家に帰った。
同じ中央区であっても、桜の咲く時期は少し違う。そこで咲いていない場所は、後からもう2回行って写真を撮った。

月島川は隅田川から「月島水門」を入った小さな川で、少し先の朝潮運河に注いでいる。
この両側には屋形船が繋がれていて、桜と屋形船が写真的には良い構図になる。
今年の桜は生憎にも満開時に連続で寒い雨か小雨で、「さくら祭り」も盛り上がりに欠け商売人も残念だったろう。


  「月島川両岸」の桜はまだ少し早かった。



『黎明橋公園』(4月2日)/雨・後曇り・後雨(最高気温14度)
月島川両岸から晴海通りに出て左折して、豊洲方向へ進む。
そして朝潮運河を渡ると左は「トリトンスクエア」で、右手に「黎明橋公園」がある。
公園は運河とは直接は面していない。わずかな距離だが離れているだけで、川面を渡る風に当たらない。

トリトンスクエアの桜も、次に行く「朝潮運河沿い」も川に面しているので、まだほとんど花が咲いていなかった。
海に近いこともあり、運河には海からの冷たい風が吹いて来ているのだろう。
この公園の中央は緑の芝生なので本来は桜の花がとても映えるのだが、いまはハゲて芝生の養生中だった。


 桜の花は満開で中央は芝生の保護で立入禁止だった。



【朝潮運河沿い】(4月2日)
黎明橋公園を運河沿いに進むと、左手には「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」という名のタワーマンションが建っている。「DEUX TOURS」というのはフランス語で、「2つの塔」という意味らしい。もうここからは我が家が見える。

タワーマンションで日陰になっている場所の桜は、まだ1分咲きだった。
運河沿いには桜の木が植えられているが、まだ歴史が浅いので若木である。

今回の桜を見るウォーキングで、都心の中央区と言えど思った以上に自然と桜があるのを知った。また隅田川沿いの桜は他より満開時期が遅く、川面を吹き抜ける冷たい風の影響を受けているようだ。


 桜の花の向こうに私の住むマンションが見える。

記事の問題について編集部に報告

コメント

    Shinji

    Shinji

    10か所以上の、桜を求めての力作でした。
    みんなちゃんと咲いてくれているし、これから咲くものも準備中、ありがたいことです。

コメントを書く

伊達季節移住のススメ

心の伊達市民 第一号

北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

詳しくはこちら
ジャンル
娯楽・趣味
アクセス総数
1,472,380回

伊達季節移住のススメ

心の伊達市民 第一号

北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。

詳しくはこちら
ジャンル
娯楽・趣味
アクセス総数
1,472,380回
Tag

ハッシュタグ

「むしゃなび」はこちらの皆様に支援して頂いています

  • 大高酵素
  • 住まいのウチイケ
  • いぶり腎泌尿器科クリニック
Popular Post

人気の記事

「観光・体験」カテゴリーのおすすめ記事

観光・体験に関する

特集記事

特集記事の一覧はこちら