西アフリカのマリ共和国の首都バマコから北東に約480キロ行くと、世界遺産に登録されているバンディアガラの断崖というのがあります。約200キロ続く断崖に沿うように集落を築き暮らしているのがマリの先住民といわれるドゴン族です。現在25万人が約700の村落に分かれて、土着的な信仰に彩られた生活を送っています。この地に住みついたのは14世紀の初頭らしく、以降、外部との接触を断って来たために、アフリカに吹き荒れた奴隷商人による狩りから逃れる事が出来、外部からの侵入もなく独自の風習や文化を築き、その叡智を受け継いで来たようで…。その文化には、非常に高度な天文学的知識が含まれている事が明らかになっています。

中でも人々を驚嘆させたのは、シリウスBに関する知識でして…シリウスはおおいぬ座の恒星で、地球上から最も明るく見える事で知られています。ただ、実はシリウスはシリウスAとBの連星である事は一般的にはあまり知られていません…。夜空に青色に輝いているのが有名なシリウスA!一方、シリウスBは人類が初めて観測されたのが、19世紀半ばの事です。シリウスAの近くにあるものの、光度の差が非常に大きく、肉眼では確認出来ないのさ…。

ところがドゴン族はシリウスBを代々重視し、宇宙観の中心の星にしていたようで、彼らは「ポ・トロ」と呼び、50年周期の性格がある白く小さな星…そして、地球の2倍の重力を持つと伝承して来たようなの…。シリウスBはまさに彼らの言い伝えが当てはまる星であって、問題は肉眼では確認出来ないのに、何故シリウスBの存在を知っていたのか?という事ですよね…。それだけでなくて、彼らはシリウスBの軌道も楕円形を描いていると正確に把握しており、どのようにして知識を得たんでしょうかね?

ドゴン族の天文学の知識は、私たちの常識をはるかに超えていて、ある意味神秘的でもあります。彼らは肉眼で見る事が出来ないシリウスBの存在を古くから伝承して来ただけでなく、肉眼では確認出来ない木星の4つの衛星の存在や、土星は環に囲まれた天体である事等、巨大な望遠鏡なしでは確認出来ない多岐にわたる天文学的知識を古くから伝承している…。

彼らがこれらの知識を教科書から学んだ訳ではない事は明白で、ドゴン族は記録する文字を持っていない訳で…。高度な天文学的知識を有する部族であれば、文字を生み出して記録する事も、さほど困難な問題ではなかったと思うんですけどね…。

文字の代わりに、ドゴン族は天文学の知識や独特な宇宙観、宗教観を、無数の神話に散りばめて口伝で伝承して来たようで…。神話によるとこの世は「アンマ」という創造主によって生まれたという…。アンマはドゴン族が信奉する神々を束ねる長のような神…。アンマが投げた粘土は太陽や月、惑星を生み出し、やがて粘土の一部が人の形となって、地球が誕生した!というのさ…。神話では「ノンモ」という精霊が地球に宿り、8人のドゴン族の始祖となったらしい…。これらの神話は、60年に一度催す「シギ」という宗教儀式の中で語り継がれている…。シギは8人の始祖にちなんで8年間も続く壮大な祭なんだと…。

ちなみにですが、「シギ」は毎回シリウスが太陽と共に昇る日が選ばれる。彼らが天体の軌道を把握している事の証でもあります。ドゴン族の8人の始祖とは宇宙から派遣された8人であり、見えるはずのない太陽系の惑星の存在や軌道が「シギ」で伝承されるドゴン族こそ、宇宙人の末裔だと主張する説もあるほどでして…。


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