心の伊達市民 第一号
「国語辞典を食べ歩く」
お笑い芸人の「サンキュータツオ」が書いた「国語辞典を食べ歩く」という本が面白い。
国語辞典を出版している「岩波国語辞典」、「三省堂国語辞典」、「明鏡国語辞典」、「新明解国語辞典」等の食べ物に関する言葉の解説を比較し、それを面白おかしく書いた本である。
お笑い芸人が「難しい話を書くなー」と思ったら、彼は「早稲田大学大学院研究科日本文化専攻博士後期課程修了」の文学博士なのであった。
「国語辞典を食べ歩く」★★★
「目玉焼き」の項では「鶏卵を2つ落として並べて焼いた卵焼き」(新明解)
「フライパンに生卵を割って落とし、焼いたもの。黄身を目玉に見立てていう。(三省堂例解小学国語辞典)
「目玉」に関して「形状が目玉に似ているので」と記述があるのは、「広辞苑」と「小学国語」だけだった。
「生卵」の掲載の無い辞典は多い。新明解は『ニワトリが生んだままで、加工すると「玉子」になる』、用例として、『デモ隊に生卵をぶつけられた』(新明解)が出て来るのも可笑しい。
「生きる」★★(同級生なので、おまけ)
「コロッケ」は「茹でてつぶしたジャガイモに挽肉などを混ぜて丸め、パン粉をまぶして揚げたもの」(岩波)とあるが、形に触れていない。新明解は「小判型にまるめ」と具体的な形まで解説している。
「弁当」は「入れ物に入れて持って行き、外出先で食べる簡単な食事」(三省堂)
これでは不親切で、「コンビニで買う」、「松花堂弁当」はどうなるんだろう?
「新明解」は「日の丸弁当」を、「岩波」は「腰弁」まで入れているのも可笑しい。
「腰弁」は知らない人が多いかもしれないなー。
「少しぐらいの嘘は大目に」★★
「おでん」では具の解説も面白い。
「大根、こんにゃく、はんぺん、竹輪」などが入っているが、著者は巷の人気ネタの「玉子」が入っていないのが大問題だと書いている。
「おじや」と「雑炊」の違いも、言われてみれば「そーかー」と思う。
著者は『鍋のあとにするのが「雑炊」で、翌日になると「おじや」』と思っていたが、実はそうではない。
ゼロから作るのが「雑炊」で、残り汁で作るのが「おじや」のようだ。
「ツバメのひみつ」★★★
「花巻」は「かけそばに 炙った海苔をもんで振りかけたもの」(三省堂)
私はこれを花巻ということを初めて知った。
「しっぽく」は「かまぼこ、シイタケ、鶏肉などを入れて煮たうどんやそば」(明鏡国語辞典)
落語に登場する「時そば」は「しっぽく」であることも初めて知った。
「うどん」は麺の太さで決る。
1.3ミリ未満は「そうめん」、1.7ミリ未満が「冷や麦」、1.7ミリ以上が「うどん」も初めて知った。
「もう聞こえない」★★★
「佃煮」は「魚、貝、海苔などを、調味料を入れて濃い味で煮詰めたもの」(三省堂)
私の住む勝どきの隣町の月島の佃地区が「佃煮」の名前の由来である。今でも3軒の佃煮屋がある。
「納豆」は「蒸した大豆に納豆菌を加え発酵させた食品」(集英社国語辞典)
「納豆は日本のソウルフードと言いたいところだが、全国的に食べられるようになったのはごく最近。外国人からしたら、あれほどおぞましい食べ物は無い」と著者は書いている。
「黒い司法」★★
「ポン酢」は「ダイダイ・スダチなどの絞り汁」、「オランダ語のPONSから」「酢は当て字」(明鏡)
「岩波」は「ポンチ」と解説し、フルーツポンチはここから来ているそうだ。
「ラムネ」は「レモンの香りなどを加えた清涼飲料水。ガラス瓶に詰め、ガラス玉で栓をする」(岩波)
ラムネの瓶の形はイギリス人が初めて作り特許も取ったが、そのイギリスでは姿を消している。
こういう話が334ページもわたって綴られている。久し振りに面白い本に出合った。
「天路」★★★
(おまけの話)
私は「子供の頃に何を食べていたのか?」を思い出せない。
年をとると「最近のことは覚えていない」が、「昔のことはよく覚えている」というのは嘘である。
私は昔のことも、最近のことも覚えていない。
昔のことで少しだけを、ハッキリと覚えているのに過ぎないのである。
同じように最近のこともハッキリと覚えていることと、全く忘れてしまうことがある。
「メーター検針員テゲテゲ日記」★★
私の子供の頃は終戦直後で、我が家も食糧難だっただろうと思う。
なんとなく覚えているのは、(もしかしたら後から何かで読んだのか?)麦の混ざったご飯や、サツマイモが混ざったご飯だったような気がする。それなのに「おかず」が何だったを全く思い出せない。
苦労しただろう母には申し訳ないと思っている。
「派遣添乗員ヘトヘト日記」★★
日本経済が安定し、私が少し大きくなってからの食べ物もあまり覚えていない。
その中で覚えているのは「茄子の亀の子焼き」、「くずしロール」、「チャン汁」である。
「くずしロール」と「チャン汁」の話は以前に書いたので省くが、「亀の子焼き」である。
これは母の考案した料理かと思っていたら、ネットに出ていた。
【茄子を半分に切り、皮の方にいくつかの浅い切込みを入れて裏表を軽く焼く。焼く前に内側の身を少し取り除いておく。そこに鰹節を入れて醤油を垂らし油で焼く】。
これは美味しいので、今でも我が家の食卓に上がる。
「交通誘導員ヨレヨレ日記」★★
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。
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